言語の構造

4.言語の構造|品詞/複文の構造/比喩/ダイクシス/発音上の誤用/連濁

ヒューマン

日本語教師養成講座の単元テスト用として自己学習のために作った穴埋めノートです。

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言語の構造「品詞」「複文の構造」「比喩」「ダイクシス」「発音上の誤用」「連濁」などについてのまとめです。

品詞

25

日本語には9つの品詞がある。動詞形容詞名詞副詞連体詞接続詞感動詞助動詞助詞

動詞

25

肯定形式と否定形式

「挨拶します」の否定は「挨拶しません」だが、「失礼します」の否定は「失礼しません」とはならず否定形式がない

Ⅰ型動詞(1グループ)

五段活用動詞
話す:サ行五段活用

Ⅱ型動詞(2グループ)

上一段活用動詞
下一段活用動詞

不規則変化動詞(3グループ)

来る:カ行変格活用
する:サ行変格活用
〜する:サ行変格活用「勉強する・信ずる・成功する・愛する」

形容詞

28

イ形容詞

イ形容詞の連用形:「白い」→「白く・白くて」。
ウ音便「白う・白うて」になったら、京言葉になる。

ナ形容詞

名詞

31

普通名詞・固有名詞・数量詞・代名詞(人称代名詞・指示代名詞)・形式名詞の5つがある。

代名詞

32
  • 人称代名詞
  • 指示代名詞:「こそあど」「指示詞」と呼ばれる。

指示詞は品詞ではない。

副詞

35

情態副詞(様態副詞)・程度副詞・陳述副詞の3つがある。

情態副詞(様態副詞)

事態の開始とともに発生し終了とともに消える。「ぱちぱち・ちらちら」。
オノマトペには擬音語と擬態語がある。

  • 擬態語:実際には聞こえない。「ふらふら」。後ろに「に」を付けると副詞的になる。
  • 擬音語:実際に聞こえる音。「雷がゴロゴロ」。そのうち人や動物の声は擬声語「ワンワン」。

2拍の擬態語に接尾辞「つく・めく・ばる」を付けると動詞になる。
・「いらいら」→「いらつく」
・「きらきら」→「きらめく」

程度副詞

段階的な程度「びしょびしょ・からから・ちらちら」「かなり・だんだん」。
「とても」には、「とても無理だ」は到底無理だ、「とてもつまらない」は非常につまらない、の意味がある。

瞬間的ではなく漸次的(ぜんじてき)・徐々に変化していく動詞と組み合わせる。「すごく・かなり・少し→痩せている」。
「喜ぶ・眠る・生まれる」は瞬間的に変化する動詞。

程度副詞と様態副詞が共起する

「かなりきっぱりと断った」→程度動詞「かなり」と様態副詞「きっぱりと」。

陳述副詞

「きっと・決して・たぶん・もし・なぜ・まるで」。文末に言葉とセット。「きっと〜だ・決して〜ない」。

他の品詞から転成した副詞

「図らずも」=「図る」の否定形+「も」で、予想していなかったという意味になる。

助動詞

38

「のだ/んだ」

・説明:「目がかゆいのだ」。
・納得・発見:自分に説明する。「雨が降ってるんだ・このレバーを引けばいいんだ」。
・決意・意思:「今日から生まれ変わるんだ」。

断定の助動詞「だ/です」

  • 措定文:主語<述語。「ピーターはアメリカ人だ・私の先生は男の人だ」(そていぶん)
  • 指定文:主語=述語。「院長はあの人だ(院長=あの人)」

助詞

39

格助詞・取り立て助詞・並列助詞・接続助詞・終助詞・複合格助詞の6つがある。

  • 格助詞:述語との関係を示す。名詞につく。
    「が・を・に・で・と・へ・から・より・まで」の9語。
    覚え方「鬼までが夜からデート」
    →「までよりから
  • 取り立て助詞:様々な意味を付与。
  • 並列助詞:名詞同士を対等な関係に。
  • 接続助詞:節同士を繋げる。
  • 終助詞:話し手の気持ちを表す。
    疑問「か・かしら」「かな」、伝達「よ・ぞ・ぜ・さ・わ」、確認・詠嘆「ね・な・なあ・よね」。
    「あのさ」「あの人はね」など文中で使われることもある。
    「おもしろかった」は相手と情報を共有している。
  • 複合格助詞:ひとくくりにしないと意味をなさない。「をもって・について」など。

格助詞

ヲ格

48
  • 通過点:出発点「家を出る」、通過点「右に曲がる」、経路「山をのぼる」。

ニ格

48
  • 時:「夜9時にバイトが終わる」バイトが終わる時間。「週末レストランを予約する」のは予約する動作が週末ではない。
  • 到達点:「屋根にあがる」屋根が到達点。
  • 相手:動作の向きは、「〜にしてもらう」〇〇さん→私、「〜にする」私→〇〇さんがある。

デ格

48
  • 手段・方法:「メールで送る」。
  • 原因・理由:「はしかで休む」。

ト格

49
  • 共同作業の相手:「ジョンとポールがテレビを見た」→一緒にする動作。ANDに相当する。
  • 相互動作の相手:「ジョンとポールがけんかした」→当然必要になる相手。

ヨリ格

49
  • 比較:単純に2つを比較「太郎は花子より」。「太郎は花子におとらず」の文型は比較だけでなく「太郎も花子も〜である」ことを意味する。
  • 起点:「未明より雪が降り始めた」
2つの比較

比較の文型の述語には、イ形容詞・ナ形容詞・副詞による修飾を受けた動詞・程度副詞によって修飾可能な名詞
「太郎は花子よりちょっと大人」。

以下のものは、比較の文型の述語の位置には使われない。
・場所を示す指示的名詞「ここ・そこ・そのへん・そこいら」:「市役所は駅よりここだ」→言えない。
・形容詞から転成した派生名詞「恥ずかしい→恥ずかしがり」:「この箱はあの箱に劣らず大きさだ」→言えない。
・具体的な数量を示す名詞「3歳」:「この石はあの石に劣らず2kgだ」→言えない。

比較の差は、程度副詞数量詞を使って表す。

  • 程度副詞:
    「もっと」は2つの比較でも使う:「太郎は花子よりもっと頭がいい」は言う。
    「かなり」否定文より肯定文で多く使う:「太郎は花子よりかなり頭がいい」は言う。「かなり頭がよくない」は言わない。
    「少し」が形容詞を修飾すると絶対的な程度ではなく相対的な程度:「太郎は花子より少し背が高い」。
  • 数量詞:
    連用用法「彼には子どもが3人いる」、連体用法「彼には3人の子供がいる」どちらも使う。
3つ以上の比較

「太郎はPの中で最も〜」「Pの中で太郎ほど〜はいない」は、文中に2つの事物を挙げて言い換えることができる。→「他のどんなものにもまして健康は大切だ」健康と他のどんなものを比較している。

程度が甚だしいことを示す文型

3つ以上の比較の延長線上にある。例「うれしいことこの上ない」「静かなことこの上ない」。「この上ない」は形容詞の連体形「〜い+名詞」の後ろにはつかない。

・「汗顔の至り」:恥ずかしいこと。極限状態を表す。
・「極まりない」:望まない状態だけではない。「彼女への感謝は極まりない」も言う。
・「極みだ」:「光栄の極みだ」のように「名詞+の」に接続する。

ノ格

9つの格助詞には入ってないけど「の」も格助詞。

「ガ・ノ交換」できるかどうか。
・あなた決心
・バッグの値段
・本好きな子ども:「ガ・ノ交換」できる。

取り立て助詞

40

文中にない情報を暗示して意味を追加する。

  • 追加・列挙:「も」。「バナナも食べる」→他のものも食べる。
  • 意外性:「も」「さえ」「まで」。「子どもが5人もできた」「子どもさえ知っている」「子どもまで駆り出される」。

「夏好き」:並列の意味を持つ。
「頭冷やした」:述語が同じ。頭と首を引き立てている。
「頭冷やしたし、首冷やした」:命題を引き立てている。
「来て来なくて」:この「も」は接続助詞。取り立て助詞じゃない。

並列助詞・並立助詞

40

・「と」:「牛乳と卵」。
・「や」:「牛乳や卵」。
・「か」:「行くか行かないか」。

「ところで/ところに」

・「彼が来たところで状況は変わらない」→「来ても」に置き換え。
・「質問したいと思っているところに先生がきた」→「時」に置き換え。

自動詞と他動詞

58
  • 自動詞:ヲ格の目的語を取らない「子どもが遊ぶ」。
  • 他動詞:ヲ格の目的語を取る「子どもがおもちゃ壊す」。ニ格を取ることもある「犬が腕噛みつく」。他動詞文は動作主が対象の変化を引き起こす。語尾が「〜asu」になる。例「(自)溶ける→(他)溶かす」「(自)冷える→(他)冷やす」

ヴォイス(態)

62

「れる・られる」には、受身・使役・使役受身・可能・自発・授受表現がある。

  • 受身:「によって提唱された・学生の意欲が高められる」。
  • 可能:「まだ食べられる」。
  • 自発:「昔の友人がしのばれる・望まれる・案じられる・思いやられる」。
  • 尊敬:「社長が来られる」。

受身

62

受身文には以下の3つがある。

  • 直接受身文:主語と目的語が入れ替わる。「子どもがお菓子を食べる」→「お菓子が子どもに食べられる」。
  • 間接受身文:マイナスの意味になる(迷惑受身)。主語が「私は」になる。「雨が降った」→「(私は)雨に降られた」。主語と目的語が入れ替われない。
  • 持ち主の受身文:主語が「私は」になる。「(私は)スリに財布を盗まれた」。

直接受身文

直接受身文は助詞に「に」「から」「によって」がつく。

・(〜によって)生み出された
・(〜によって)建てられた
・(〜によって)作られた
・(〜によって)描かれた
・(〜に)見られた:「私が子どもに見られた」←「子どもが私を見る」

使役

64

使役文には、強制・容認・原因・責任・謙譲の5つがある。

使役形の作り方

  • 1グループの動詞:[a]の音に変えて「せる」を付ける。「書く→書かせる」。
  • 2グループの動詞:「る」を取って「させる」を付ける。「見る→見させる」「食べる→食べさせる」。

謙譲

「電話させていただきます」「分析させていただきます」。

可能

67

「食べられる」「食べれる」のようにら抜き言葉が使われるようになる。この可能の分化は、現在進行中の歴史的変化と言える。

歴史的変化と言えば

ハ行の唇音退化(両唇音が使われなくなったこと)が有名。
奈良時代前までは[p](パピプペポ)で、奈良時代に[ɸ](ファフィフフェフォ)に変わった。江戸時代に「ハヒフヘホ」になった。
唇音→口唇摩擦音→声門(ハヘホ)・軟口蓋(ヒ)・口唇摩擦音(フ)と変化。

イ列「ゐ・ヰ」・エ列「ゑ・ヱ」における二種の仮名の使い分けは、歴史的仮名遣いであって歴史的変化ではない。

授受表現

69

授受動詞

「あげる」:謙譲語「さしあげる」
「くれる」:尊敬語「くださる」
「もらう」:謙譲語「いただく」

ら抜き言葉・さ入れ言葉

71
  • ら抜き言葉:2グループの動詞と「来る」に見られる現象。「見られる→見れる」「寝られる→寝れる」「来られる→来れる」。
  • さ入れ言葉:1グループの動詞(辞書形が「す」以外)に見られる現象。「書かせる→書かさせる」「終わらせる→終わらさせる」。

複文の構造

90

複文には文の中心となる主節従属節がある。そのつながり方は以下の3つに分類。

  • 名詞修飾節:連体修飾節。
  • 補足節
  • 副詞節:連用修飾節。

連体修飾と連用修飾

・連体修飾:静かな男性(名詞:被修飾名詞)
・連用修飾:急いで帰る(述語)

名詞修飾節

90

「母は、私がプレゼントした時計を気に入っている」。
被修飾名詞の前に使う助詞は以下のものがある。

  • 「との」:「合格したとの通知」
  • 「って」:「それってひどいよね」
  • 「という」:「合格したという通知」

「大使として赴任」は述語「赴任する」の修飾なので名詞修飾節ではない。

補足節

引用節

94
  • 「〜と」:「世界一であると思う」「店番をしてとお願いする」「怪しいと疑う」「行かないとこぼしている」
  • 「〜ように」:「刈っておくように命じた」
引用節「と」の主節に使う動詞
  • 伝達を表す動詞「伝える」:引用節内にガ格をとる。「お客さんクレームを言っていると伝えた」。
  • 依頼を表す動詞「頼む」:引用節「〜しろと頼む」「〜てほしいと頼む」。
  • 発話を表す動詞「言う」:引用節内に終助詞が来る。「お客さんが店長を出せ言っています」。
  • 思考を表す動詞「思う」:引用節内に「デス・マス体」は使わない。「お金持ちになりたいですと思っています」はおかしい。
引用節「ように」のルール
  • 発話を表す「ように」:引用節内に過去形も使える。「難しい試験だったように言っていた」。
  • 依頼を表す「ように」:引用節内に丁寧体も使える。「してくださいますようにお願いいたします」。
  • 命令を表す「ように」:主節を省略できる。「この問題をやっておくように」。
  • 思考を表す「ように」:「に」は省略できる。「合格するよう願っている」。

副詞節

条件節

95

順接条件節:仮定「たらなら」。「と・ば・たら」は「なら」に置き換えができる。

  • 「〜と」:秋になると、木々が紅葉する。
  • 「〜ば」:台風が来れば、運動会は中止。
  • 「〜たら」:宝くじが当たったら、家を買う。
  • 「〜なら」:沖縄に行くなら、僕も行きたい。

「明日になれば雨もやむでしょう」を「なら」に置き換えると「明日になるなら雨もやむでしょう」となり違和感があり仮定ではない。「僕はお酒なら冷酒だ」も仮定ではない。

身体部位を含んだ表現・比喩

「腹を割って話す」「口を挟む」「手を出す」「耳を貸す」は比喩的な意味の慣用句。「足を洗って家に入る」は悪いことを辞める意味ではない。

ダイクシス

34

直示表現。その場にいなければ理解できない表現。語用論的。

  • 人を指すダイクシス:「こちら・そちら:あちら」
  • 時のダイクシス:「後ほど」「先月・今月・来月・今週・昨日・今日・明日・今週」
  • 現場指示のダイクシス:「ここ・そこ・あそこ」
  • 「川の向こう側・こちら側」

ダイクシスではないもの

語用論的な特定は必要ない。

  • 文脈指示の「こ・そ・あ」:「駅まで歩いて、そこから電車に乗ります」
  • 文脈で時点が特定される場合:「前日・翌日・前年・翌年・次の日」

コロケーション

辞書だと「引く」や「調べる」など自然な組み合わせがコロケーション。
「ハンガーに服を掛ける」のコロケーションを知らないと「服を付ける」と誤った言い方になる。

発音上の誤用

103
  • 子音の脱落:「その辺→その円(そのえん)」「後半→公安(こうあん)」「改変→開演(かいえん)」「五本→御恩(ごおん)」
  • リエゾン(連音):「千円→千年(senen)」「日本へ→にっぽね(nippone)」
  • 助詞の選択の誤り:「に」を使わずに「を」を使う。「会食を参加したい」「規則を従ってください」
  • ナ形容詞の誤用:「豊かの教養」「このパソコンは丈夫し
  • イ形容詞の誤用:「昨日、近いスーパーで」「面白い
  • 「と・ば・たら・なら」の「ば」の誤用:「駅に着け→着いたら」「日本に帰れ→帰ったら」「お会いすれ→したら」「荷物が届け→届いたら

「一番」の使い方

「吉田先生も一番やさしい先生」は「とても・すごく」を言うべき。「一番」と「も」が矛盾する。

「バスよりも地下鉄で行ったほうが一番早い」は2つの比較に「一番」はおかしい。

連濁

109

無声子音(カ・サ・タ・ハ)が有声子音(ガ・ザ・ダ・バ)に変化する、合成語で後要素の清音が濁音に変化すること。
「カ→ガ・サ→ザ・タ→ダ・ハ→バ」の各行で起きる。

  • 連濁の有無は時代によって変わる。連濁が消えた例「両方:りょうぼう→りょうほう」、連濁が生じた例「手書き:てかき→てがき」。
  • 前後の要素が修飾関係ではなく、並列的な関係の時、連濁は起こりにくい。例「山川:やまかわ」
  • 後部要素に濁音がある時、連濁が起こりにくい。例「ひとりたび」。ライマンの法則。
  • 漢語・外来語よりも和語の方が連濁は起こりやすい。例「リゾートホテル」。例外的に起こる漢語の例「株式会社:かぶしきがいしゃ」「夫婦喧嘩:ふうふげんか」。
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