4.言語の構造

【日本語教師養成講座】4.言語の構造|1.言語学:①言語学の諸概念/言語学の諸分野(能記と所記/恣意性/線条性/ラングとパロール/二重分節性/サピアとウォーフの仮設/形態素/音韻)

4.言語の構造|1.言語学:①言語学の諸概念/言語学の諸分野

言語の構造「能記と所記」「恣意性」「線条性」「ラングとパロール」「二重分節性」「サピアとウォーフの仮設」「形態素」「音韻」などについてのまとめです。

言語記号の特徴

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記号の二面性

スイスの言語学者ソシュールは記号は形と意味の2つを持つと言った。

  • 能記(シニフィアン):表象(形)。信号機だと「青・黄・赤」人間が知覚できるもの。
  • 所記(シニフィエ):観念(意味)。信号機だと「進め・注意・止まれ」。

恣意性(しいせい)

これもソシュールが言った。

恣意性:記号の二つの側面である「能記」と「所記」の結びつきには必然性はないこと。絶対ではなく約束事程度。

言語においても、形式(音声や文字など)と意味の関係は偶然に結びついたもので、ある意味に対して特定の形式が対応しなければならないという必然性はない。

オノマトペ

オノマトペでは音に意味がある。

・清音:「コロコロ」→軽い・弱いイメージ。
・濁音:「ゴロゴロ」→重い・強いイメージ。

線条性

これもソシュール
「ふ」「で」「ば」「こ」→この順番で出てくると理解できるが、ばらばらだと理解できない。

線条性:ことばの理解は、時間の流れに沿って並んで出てくる音声を聞くことにより可能になる。

ある語を発音するとき、その語に含まれる音声を同時に発音したり、順序を入れ替えたりしては成り立たず、決まった順序で発音されなければならない。
表記も文字の配列順序が決まっている。

ラングとパロール

これもソシュール。

  • ラング(langue):頭の中にある文法などの日本語の規則。
  • パロール(parole):それを口に出した言語。

二重分節性

マルチネが命名。
「日本語を勉強します」→英語・中国語に変換できる。
文は形態素、形態素は音素に分けられる。
文は語、語は音に分けられる。(句ではない)
これを二重分節性という。
語を組み合わせることで無限の文ができる。

サピア・ウォーフの仮説(言語相対論)

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言語相対論サピア・ウォーフの仮説。サピアとウォーフが提唱。
人間の思考は母語の影響を受ける。母語話者の思考や経験様式が言語に依存している。
言語と文化・思考が関わっている。

日本は周りが海だから「太陽が沈む」、海がない国は「太陽が落ちる」。
虹は日本では7色だが、2色の国もある。
「兄・弟」のように生まれた順番で語彙が変わる。英語では「brother」のみ。
日本語が主語を言わないのは、相手とぶつからないような話し方をする文化が影響していると考える。

形態論

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形態素

意味を担う最小の単位であり、それ以上は分けられない抽象的な単位。{}で示す。
雨雲={アメ}+{クモ}

音韻

  • 拘束形式:単独では使えない音韻。「酒蔵=/saka/+/gura/」の/gura/は単独では使えない。
  • 独立形式:単独で使える音韻。「雛祭り=/hina/+/matsuri/」の/hina/も/matsuri/も単独で使える。

「おでん」の「お=/o/」と「彼を」の「を=/wo/」は音韻的には同じ要素。「/o/」で発音する。

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