4.言語の構造

【日本語教師養成講座】4.言語の構造|4.対照言語学:①言語類型論(言語類型論/膠着語/屈折語/孤立語/抱合語)

4.言語の構造|4.対照言語学:①言語類型論

言語の構造「言語類型論」「膠着語」「屈折語」「孤立語」「抱合語」などについてのまとめです。

言語類型論(行き違い)

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コミュニケーション上の行き違いには、音韻レベル・形態レベル・統語レベル・意味レベルな面がある。
統語=構文

音韻・形態・統語・意味

  • 音韻的類型:発音やアクセント。
  • 形態的類型:語形変化。
    日本語「ボブがトムを見た/トムがボブを見た」。格助詞でSとOを区別。
  • 統語的類型:語順や語の配列。修飾関係の誤り。
    英語「Bob saw Tom/Tom saw Bob」。語順でSとOを区別。
    「小さな猫の声」→「小さな猫」なのか「小さな声」なのかわからない。
  • 意味的類型:「これ・それ・あれ」の指示対象誤り。
    「あれ取って」の「あれ」の指示対象を謝る。英語では「this・that」のなので2つにまとめてしまう。

語用論的な誤り:断った「結構です」が承諾と解釈された。

形態的類型

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以下に分類される。

  • 膠着語タイプ(こうちゃく):実質的な意味を持つ語の語幹に接辞がつくという構造を持ち、その切れ目がはっきりしているタイプ。「私が・私を」。
    言語:日本語韓国語・モンゴル語・英語)。
  • 屈折語タイプ:語そのものが変化することによって示され、その境界がはっきりしないタイプ。「I・me/go・went」
    言語:英語・ラテン語・ギリシャ語
  • 孤立語タイプ:名詞や動詞、形容詞に限らず語形変化を持たないタイプ。「我・我/put・put」。
    言語:中国語・ベトナム語・タイ語・英語
  • 抱合語タイプ(ほうごう):名詞・副詞・動詞などの文の要素を組み合わせて、1つの語を作ることができる。「私が魚をとった(SOV)」は「ku=cep-koyki」とも言う。
    言語:アイヌ

英語は全て持っている。

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