日本語教師養成講座の単元テスト用として自己学習のために作った穴埋めノートです。
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日本語教育文法「動詞」「形容詞」「名詞」「指示詞コソア」「ダイクシス」「副詞」「助動詞」「連体詞」「接続詞」「感動詞」「助詞」などについてのまとめです。
品詞
日本語には9つの品詞がある。動詞・形容詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞。
動詞
Ⅰ型動詞(1グループ)
五段活用動詞:「書く・話す」。
話す:サ行五段活用。
行く:テ形の作り方がルール外「行きます→行って」。
Ⅱ型動詞(2グループ)
上一段活用動詞:「見る・できる」。
下一段活用動詞:「食べる・出掛ける」。
「る」で終わる。「取る・知る」は1グループ。
不規則変化動詞(3グループ)
カ行変格活用:「来る」。
サ行変格活用:「する」。
〜する:サ行変格活用「勉強する・信ずる・成功する・愛する」。
肯定形式と否定形式
「挨拶します」の否定は「挨拶しません」だが、「失礼します」の否定は「失礼しません」とはならず否定形式がない。
テモラウ
「走る」→「走ってもらう」。
「開ける」→「開けてもらう」。
「開く」→テモラウは作りにくい。
形容詞
状態・性質・感情・感覚を表す。後ろに名詞を付けるとイ形容詞かナ形容詞か分かる。
感情形容詞と属性形容詞
- 感情形容詞:楽しい・不安だ・うれしい。
本人の感覚も感情形容詞「苦手な・得意な・かゆい・痛い」。 - 属性形容詞:明るい・おとなしい・有名だ・しずかな。
感情・感覚の形容詞
感情・感覚は1人称ではそのまま使えるが、3人称ではそのまま使えない。
・1人称「私は楽しい」
・3人称「彼は楽しそうだ」→「そうだ」がつく
どの語を形容するか
後ろの語を形容するか、前の語を形容するか。
・「将来のことを真剣に考える」→「真剣に」は「考える」を形容。
・「彼女は若く見える」→「若い」は「彼女」を形容。
イ形容詞
連体形(名詞にくっつく形)が「イ」で終わる。「大きい(家)・美しい(花)・うれしい(話)」。
イ形容詞の辞書形:「白い」。
イ形容詞の連体形:「白い」→「白い服」の「白い」が形容詞の連体形。
イ形容詞の連用形:「白い」→「白く・白くて」。(「て」を付ける)
連用形がウ音便「白う・白うて」になったら、京言葉になる。
イ形容詞の連用形:「すごい」→「すごく」。
「すごい速い」は、イ形容詞「すごい」を副詞的に使って、後続の「速い」を強調している。
ナ形容詞
連体形(名詞にくっつく形)が「ナ」で終わる。「静かな(海)・きれいな(花)・有名な(先生)」
国語では形容動詞。
ナ形容詞の辞書形:「好きだ」「同じだ」。
ナ形容詞「同じ」
「同じ」はナ形容詞だけど活用が違う。
「同じ」の連体形:「同じ本」→「同じな本」にはならない。
名詞
普通名詞・固有名詞・数量詞・代名詞(人称代名詞・指示代名詞)・形式名詞の5つがある。
代名詞
- 人称代名詞:「わたし・あなた・かれ」。
- 指示代名詞:「こそあど」→指示詞と呼ばれる。
名詞:指示詞「コ・ソ・ア」
指示詞は品詞ではない。
指示詞「コ・ソ・ア」の用法
- コ系指示詞:話し手の身近にある情報。「こんなことがあったんです」
- ソ系指示詞:既出の語句。指示対象が先にくる。「それは信じられない」
- ア系指示詞:話し手の頭にあるイメージ。話し手も聞き手も直接知っている物事を指す。「あいつは」
- 名詞的用法:「これが・ここを」格助詞を続けることができる。
- 連体詞的用法:「この本・こんな本」名詞(体言)を続けることができる。
- 副詞的用法:「こうする・ああ言う」動詞や形容詞(用言)を続けることができる。
指示詞の用法:現場指示と文脈指示
- 現場指示:「すみません、それ取ってください」。
- 文脈指示:「松本さんって知っていますか」「いえ、その人はどんな人ですか?」→話し手も聞き手も松本さんを知ってる訳ではないので「あの」は使えない。
指示詞の用法:文脈指示の共有知識
「昨日、松本さんに会ったよ」「あの人最近どうしてる?」→「その人」はおかしい。
- 共有知識:「あ」系列
- それ以外:「そ」系列
ダイクシス
ダイクシス:直示表現。その場にいなければ理解できない表現。語用論的。
- 指示詞:現場指示「ここ・そこ・あそこ」「こちら・そちら:あちら」
- 人称代名詞:「彼・わたし」
- 時の名詞:「先月・今月・来月・今週・昨日・今日・明日・今週」「後ほど」
- 「川の向こう側・こちら側」
ダイクシスではないもの
語用論的な特定は必要ない。
- 文脈指示の「こ・そ・あ」:「駅まで歩いて、そこから電車に乗ります」
- 文脈で時点が特定される場合:「前日・翌日・前年・翌年・次の日」
形式名詞
単独では意味が分からない。
「それはみんなが知っていることです」。
「彼がここに来るはずがない」。
モダリティ
「親切心を誤解されるのは残念なことだ」→形式名詞ではない。
この使い方のように、述語形式「〜ことだ」にして気持ちを表すことがある。
モダリティ
「〜ことだ」の場合は、勧め(アドバイス)と詠嘆(感情)の2つがある。
- 勧め:いろいろ言われてもあまり気にしないことだ→対人的モダリティ。
- 詠嘆:4連続メダルなんて、本当にすごいことだ→対事的モダリティ。
副詞
様態副詞(情態副詞/状態副詞)・程度副詞・陳述副詞の3つがある。
- 様態副詞:「ゆっくり歩く」「ふらふら歩く」
- 程度副詞:「ずっと大きい」「けっこうおいしい」
- 陳述副詞:「たぶん雨だろう(推量)」「決して泣かない(否定)」「めったに泣かない(否定)」
様態副詞(情態副詞/状態副詞)
動詞にかかる。事態の開始とともに発生し終了とともに消える。「ぱちぱち・ちらちら」。動き様態の副詞。
オノマトペには擬態語と擬音語がある。
- 擬態語:実際には聞こえない。「ふらふら」。後ろに「に」を付けると副詞的になる。平仮名で書く。
- 擬音語:実際に聞こえる音。「雷がゴロゴロ」。片仮名で書く。
- 擬声語:人や動物の声は「ワンワン」。片仮名で書く。片仮名で書く。
- 畳語:ただ重ねて言うだけ。「ひそひそ・しぶしぶ・キラキラ」
擬態語+「に」:結果を修飾する。「かちんかちんに凍った」
2拍の擬態語に接尾辞「つく・めく・ばる」を付けると動詞になる。
・「いらいら」→「いらつく」
・「きらきら」→「きらめく」
程度副詞
段階的な程度「びしょびしょ・からから・ちらちら」「かなり・だんだん」「けっこう・すぐに」。動きが終わった結果の動詞。
瞬間的ではなく漸次的(ぜんじてき)・徐々に変化していく動詞と組み合わせる。
「すごく・かなり・少し→痩せている」。
「喜ぶ・眠る・生まれる」は「徐々に変化」ではなく「瞬間的に変化」する動詞。
「とても」
「とても」には、
・「とても無理だ」:到底無理だ。
・「とてもつまらない」:非常につまらない。
の意味がある。
程度副詞と様態副詞が共起する
「かなりきっぱりと断った」→程度動詞「かなり」と様態副詞「きっぱりと」。
陳述副詞
文末に言葉とセット。「きっと・決して・たぶん・もし・なぜ・まるで」。
- 推量:「たぶん/おそらく〜だろう」
- 否定:「決して/めったに〜ない」
他の品詞から転成した副詞
「図らずも」=「図る」の否定形+「も」で、予想していなかったという意味になる。
「急遽」と「急に」の誤用
「雨が急遽降り出した」→「急に降り出した」が正しい。
・「急遽」:意思によって対処する動詞と一緒に使う。
・「急に」:突然の事態に対処する動詞と一緒に使う。自然現象。
助動詞
「のだ/んだ」
・説明:「目がかゆいのだ」。
・納得・発見:自分に説明する。「雨が降ってるんだ・このレバーを引けばいいんだ」。
・決意・意思:「今日から生まれ変わるんだ」。
断定の助動詞「だ/です」
指定文と措定文(そていぶん)。
- 指定文:主語=述語。「院長はあの人だ(院長=あの人)」
- 措定文:主語<述語。「ピーターはアメリカ人だ・私の先生は男の人だ」
連体詞
活用しない。以下の3つがある。
- 動詞に似ている:「ある人」「あらゆる人」。
- 「の」がくる:「例の人」。
- 「な」がくる:「大きな家」。「大きな」は連体詞で活用しない。「大きい」はイ形容詞で活用する。
「机の上にある本は」→この「ある」は普通の動詞。
接続詞
接続表現
・「まず」「次に」:時間的順序だけでなく、重要度の順序もある。
・「なお」「ちなみに」:後件で補足的な情報を求める文が現れるのではなく、補足的な情報に関する文が現れる。
・「一方」:前件と後件が対比だけでなく、両立もある。「この本はやさしく書いてある一方で、内容は深い」。
・「ところで」:「話は変わるけど」の意味以外に「がんばったところで一夜漬けはだめだよ」の使い方もある。
接続詞・接続助詞の違い
- 接続詞:自立して使える。
「今は円高である。だから、ガソリン代が値下がりしている」 - 接続助詞:ほかに語を付加して使う。
「今は円高なので、ガソリン代が値下がりしている」
感動詞
応答詞
「はい」には了解(Okay)と肯定(Yes)がある。
了解:「これを至急お願いします→はい」依頼に対する了解。
了解:「食後に飲んでください→はい」指示に対する了解。
了解:「土足で入らないで→はい」注意に対する了解。
肯定:「お荷物はこちらですね→はい」肯定。
助詞
格助詞・取り立て助詞・並列助詞・接続助詞・終助詞・複合格助詞の6つがある。
- 格助詞:述語との関係を示す。名詞につく。
覚え方「鬼までが夜からデート」
→「を・に・まで・が・より・から・で・へ・と」の9語。 - 取り立て助詞:様々な意味を付与。「は・も」→何を取り立てるか。
学校教育では係助詞。 - 並列助詞:名詞同士を対等な関係に。「と・か」。
- 接続助詞:節同士を繋げる。「けれど」。
- 終助詞:話し手の気持ちを表す。「かな」。
- 複合格助詞(複合助詞):ひとくくりにしないと意味をなさない。「をもって・について・によって・によると」。
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