日本語教師養成講座の単元テスト用として自己学習のために作った穴埋めノートです。
空欄を選択すると答えが表示されます。印刷時は答えを表示しています(倍率70%が◎)。
日本語教育文法「格助詞」「取り立て助詞」「並列助詞(並立助詞)」「終助詞」「複合格助詞(複合助詞)」などについてのまとめです。
助詞
格助詞
ガ格
主体・対象の2つがある。
- 主体:「薬が苦い」「学生が勉強する」「犬が泳ぐ」。
- 対象:「水が欲しい」「寿司が食べたい」「ゲームが好きです」→目的語にあたる。
ヲ格
起点(出発点)・通過点(経路)・対象の3つがある。
- 起点(出発点):「家を出る」「日本を離れる」。場所がくる。
- 通過点(経路):「角を曲がる」「山をのぼる」。場所の移動。
- 対象:「文法を勉強する」。
ニ格
場所・時・到達点・相手・目的の5つがある。
- 場所:「娘は沖縄に住んでいる」娘が住んでいる場所。
- 時:「夜9時にバイトが終わる」バイトが終わる時間。「週末にレストランを予約する」は予約する動作が週末ではない。
- 到達点:「屋根にあがる」屋根が到達点。
- 相手:「孫にお年玉をあげる」。動作の向きは「〜にしてもらう(〇〇さん→私)」と「〜にする(私→〇〇さん)」がある。
- 目的:「父はパチンコに出かけた」。出かける目的。
デ格
場所・手段/方法・原因/理由・主体の4つがある。
- 場所:「公園で遊ぶ」遊んでいる場所。
- 手段/方法:「メールで送る」。送る手段。
- 原因/理由:「はしかで休む」。休む理由。
- 主体:「みんなで歌う」。歌う主体。
ト格
- 共同作業の相手:「ジョンとポールがテレビを見た」→一緒にする動作。ANDに相当する。
- 相互動作の相手:「ジョンとポールがけんかした」→当然必要になる相手。
ヨリ格
- 比較:単純に2つを比較「太郎は花子より」。「太郎は花子におとらず」の文型は比較だけでなく「太郎も花子も〜である」ことを意味する。
- 起点:「未明より雪が降り始めた」
2つの比較
比較の文型の述語には、イ形容詞・ナ形容詞・副詞による修飾を受けた動詞・程度副詞によって修飾可能な名詞がある。
「太郎は花子よりちょっと大人」。
以下のものは、比較の文型の述語の位置には使われない。
・場所を示す指示的名詞「ここ・そこ・そのへん・そこいら」:「市役所は駅よりここだ」→言えない。
・形容詞から転成した派生名詞「恥ずかしい→恥ずかしがり」:「この箱はあの箱に劣らず大きさだ」→言えない。
・具体的な数量を示す名詞「3歳」:「この石はあの石に劣らず2kgだ」→言えない。
比較の差は、程度副詞・数量詞を使って表す。
- 程度副詞:
「もっと」は2つの比較でも使う:「太郎は花子よりもっと頭がいい」は言う。
「かなり」否定文より肯定文で多く使う:「太郎は花子よりかなり頭がいい」は言う。「かなり頭がよくない」は言わない。
「少し」が形容詞を修飾すると絶対的な程度ではなく相対的な程度:「太郎は花子より少し背が高い」。 - 数量詞:
連用用法「彼には子どもが3人いる」、連体用法「彼には3人の子供がいる」どちらも使う。
3つ以上の比較
「太郎はPの中で最も〜」「Pの中で太郎ほど〜はいない」は、文中に2つの事物を挙げて言い換えることができる。→「他のどんなものにもまして健康は大切だ」健康と他のどんなものを比較している。
程度が甚だしいことを示す文型
3つ以上の比較の延長線上にある。例「うれしいことこの上ない」「静かなことこの上ない」。「この上ない」は形容詞の連体形「〜い+名詞(こと)」で使い、「うれしい極まりない」のように直接はつかない。
・「汗顔の至り」:恥ずかしいこと。極限状態を表す。
・「極まりない」:望まない状態だけではない。「彼女への感謝は極まりない」も言う。
・「極みだ」:「光栄の極みだ」のように「名詞+の」に接続する。
ノ格
9つの格助詞には入ってないけど「の」も格助詞。
「ガ・ノ交換」できるかどうか。
・あなたの決心
・バッグの値段
・本の好きな子ども:「ガ・ノ交換」できる。
取り立て助詞
は
主題と対比の2つがある。「係助詞」ということもある。
- 主題:「田中さんはアメリカ人と結婚した」田中さんについて言っている。
- 対比:「日本は夏だが、ブラジルは冬だ」日本とブラジルが主題だが、対比している。主題と対比がある文は1つで表す。
「私は(主題)水泳は(対比)できない」
格助詞「が」には、主題・対比の用法はない。
も
文中にない情報を暗示して意味を追加する。
- 追加・列挙:「も」。「バナナも食べる」→他のものも食べる。
- 意外性:「も」「さえ」「まで」。「子どもが5人もできた」「子どもさえ知っている」「子どもまで駆り出される」。
「夏も冬も好き」:並列の意味を持つ。
「頭も首も冷やした」:述語が同じ。頭と首を引き立てている。
「頭も冷やしたし、首も冷やした」:命題を引き立てている。
「来ても来なくても」:この「も」は接続助詞。取り立て助詞じゃない。
並列助詞(並立助詞)
・「と」:「牛乳と卵」。
・「や」:「牛乳や卵」。
・「か」:「行くか行かないか」。
接続助詞
節と節をつなげる。→順接条件節と逆接条件節
・順接「なら」:「(従属節)君が行くなら、(主節)僕も行く」
・逆説「が」:「(従属節)兄は行くが、(主節)僕はいかない」
・原因「ので」:「(従属節)風邪を引いたので、(主節)会社を休む」
・並立「し」:「頭もいいし、足も早い」
終助詞
・疑問「か・かしら」「かな」。
・伝達「よ・ぞ・ぜ・さ・わ」。
・確認・詠嘆「ね・な・なあ・よね」。
「あのさ」「あの人はね」など文中で使われることもある。
「おもしろかったね」:共有。相手も情報を知っている。
「おもしろかったよ」:伝達。相手は情報を知らない。
「わたしも行くわ」→終助詞
「わたしは行く」→取り立て助詞
複合格助詞(複合助詞)
「ところで/ところに」
・「彼が来たところで状況は変わらない」→「来ても」に置き換え。
・「質問したいと思っているところに先生がきた」→「時」に置き換え。