2.日本語教授法

【日本語教師養成講座】2.日本語教授法|3.日本語教育プログラムの理解と実践2(シラバス・デザイン/カリキュラム・デザイン/教材・教具)

2.日本語教授法|3.日本語教育プログラムの理解と実践2(シラバス・デザイン)

日本語教授法「シラバス・デザイン」「カリキュラム・デザイン」「教材・教具」などについてのまとめです。

シラバス・デザイン

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コースで何を教えるか(学習項目)をシラバス(教授項目)という。シラバスは以下のように分類される。
教科書の目次が一覧になってる。

構成方法による分類 (6つ)

  1. 構造シラバス:文法や文型など。教科書では「みんなの日本語」、教授法はAL法
  2. 場面シラバス:場所や場面を中心に、そこで使われるコミュニケーション表現に着目「例:レストランで・空港の案内所で」。教科書では「できる日本語」。短期滞在者向け。
  3. 機能シラバス:言語の持つコミュニケーション上の働き「例:謝る・依頼する」。ビジネスパーソン向き。教授法はコミュニカティブ・アプローチ
  4. 話題シラバス:話題を取り上げる「例:野球について・家族・趣味」。教科書では「上級へのとびら」。中上級の読解向け。
  5. 技能シラバス:「読む・聞く・書く・話す」の四技能別に下位技能を伸ばす「例:手紙の書き方・申込書に記入する・メモを取る・メールを作成する」。→書くでもいろいろある。
  6. 課題シラバス:課題(タスク)を達成するためにコミュニケーションが必要。「例:郵便局で切手を買ってくる」。ピア活動と相性がいい。教授法はタスク中心の教授法(TBLT)。

シラバスを決めて教科書を決めるが、複数のシラバスを組合せてもいい。

項目の配列による分類 (2つ)

  1. シラバス・インベントリー:項目を網羅的にリストアップしたもの。
    「inventory=表」
  2. コース・シラバス:項目を扱う順序で一覧表にしたもの。

決定時期による分類 (3つ)

  1. 先行シラバス:コースの開始前に予めデザインされたシラバス。
  2. 後行シラバス:授業が終わった後に結果的に加えたシラバス。
    後行シラバスになる教授法CLL。→CLILとは別もの
  3. プロセスシラバス:先行シラバスと後行シラバスの折衷案。コース開始時時にデザインされるが、コース中にも軌道修正される。
    教案を作る時に「時間があまったらやる活動」がプロセス・シラバス。

カリキュラム・デザイン

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シラバス・デザインの詳細で、年・学期・月・週・曜日などを単位に学習時間と内容、コースの進度を決めること。

・到達目標
・時間割
・シラバスの配列:構造シラバスの場合、この文型をどの授業で教えるか。
・教授法
・教材・教具
・教員

「学習項目のリスト」は何を教えるか、になるのでシラバスデザインになる。

教材・教具

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主教材に市販の教材を使う場合、シラバスデザインカリキュラムデザインの決定後、教材を分析し想定される教授法や授業の流れに合うか確認する。
使いたい教科書にシラバスを合わせることはしない

レアリアと生教材の違い

レアリア:スーパーのチラシを見せて「チラシ」という語を教える。
生教材:4人分のカレーを作るタスクのためにチラシを使う。真正性がある。

真正性が低い

・チラシを見て、文字のサイズの違いを確認する。→チラシは安いものを探すために使うので、この使い方は真正性が低い
・駅のアナウンスを聞いて、敬語表現に気づかせる。→通常は乗客に対する案内を聞き取るものなので真正性が低い
・折り紙の本を見て、手順を説明するための表現を確認する。→本来、折り方を学ぶためなので真正性が低い

真正性が高い

・お菓子の食品表示を見て、賞味期限やアレルギー食材を確認する。→日本人でも普通このように使うので真正性が高い

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