日本語教師養成講座の単元テスト用として自己学習のために作った穴埋めノートです。
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日本語教授法「シラバス・デザイン」「カリキュラム・デザイン」「教材・教具」などについてのまとめです。
シラバス・デザイン
コースで何を教えるか(学習項目)をシラバス(教授項目)という。シラバスは以下のように分類される。
教科書の目次が一覧になってる。
構成方法による分類 (6つ)
- 構造シラバス:文法や文型など。教科書では「みんなの日本語」、教授法はAL法。
- 場面シラバス:場所や場面を中心に、そこで使われるコミュニケーション表現に着目「例:レストランで・空港の案内所で」。教科書では「できる日本語」。短期滞在者向け。
- 機能シラバス:言語の持つコミュニケーション上の働き「例:謝る・依頼する」。ビジネスパーソン向き。教授法はコミュニカティブ・アプローチ。
- 話題シラバス:話題を取り上げる「例:野球について・家族・趣味」。教科書では「上級へのとびら」。中上級の読解向け。
- 技能シラバス:「読む・聞く・書く・話す」の四技能別に下位技能を伸ばす「例:手紙の書き方・申込書に記入する・メモを取る・メールを作成する」。→書くでもいろいろある。
- 課題シラバス:課題(タスク)を達成するためにコミュニケーションが必要。「例:郵便局で切手を買ってくる」。ピア活動と相性がいい。教授法はタスク中心の教授法(TBLT)。
シラバスを決めて教科書を決めるが、複数のシラバスを組合せてもいい。
項目の配列による分類 (2つ)
- シラバス・インベントリー:項目を網羅的にリストアップしたもの。
「inventory=表」 - コース・シラバス:項目を扱う順序で一覧表にしたもの。
決定時期による分類 (3つ)
- 先行シラバス:コースの開始前に予めデザインされたシラバス。
- 後行シラバス:授業が終わった後に結果的に加えたシラバス。
後行シラバスになる教授法CLL。→CLILとは別もの - プロセスシラバス:先行シラバスと後行シラバスの折衷案。コース開始時時にデザインされるが、コース中にも軌道修正される。
教案を作る時に「時間があまったらやる活動」がプロセス・シラバス。
カリキュラム・デザイン
シラバス・デザインの詳細で、年・学期・月・週・曜日などを単位に学習時間と内容、コースの進度を決めること。
・到達目標
・時間割
・シラバスの配列:構造シラバスの場合、この文型をどの授業で教えるか。
・教授法
・教材・教具
・教員
「学習項目のリスト」は何を教えるか、になるのでシラバスデザインになる。
教材・教具
主教材に市販の教材を使う場合、シラバスデザインカリキュラムデザインの決定後、教材を分析し想定される教授法や授業の流れに合うか確認する。
使いたい教科書にシラバスを合わせることはしない。
レアリアと生教材の違い
レアリア:スーパーのチラシを見せて「チラシ」という語を教える。
生教材:4人分のカレーを作るタスクのためにチラシを使う。真正性がある。
真正性が低い
・チラシを見て、文字のサイズの違いを確認する。→チラシは安いものを探すために使うので、この使い方は真正性が低い。
・駅のアナウンスを聞いて、敬語表現に気づかせる。→通常は乗客に対する案内を聞き取るものなので真正性が低い。
・折り紙の本を見て、手順を説明するための表現を確認する。→本来、折り方を学ぶためなので真正性が低い。
真正性が高い
・お菓子の食品表示を見て、賞味期限やアレルギー食材を確認する。→日本人でも普通このように使うので真正性が高い。