日本語教師養成講座の単元テスト用として自己学習のために作った穴埋めノートです。
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日本語教授法「日本語レベル」「留学生」「日本語能力試験(JLPT)」「日本留学試験(EJU)」「生活者としての外国人」「スキャニングとスキミング」「外国人児童生徒」「JSLカリキュラム」「特別の教育課程」「漢字の授業」などについてのまとめです。
日本語レベル
- 初級レベル:一般的な目的の日本語JGP「例:おはよう」
Japanese for General Purposes - 中級レベル:特別な目的の日本語JSP「例:本日はお日柄もよく」
Japanese for Special(Specific) Purposes - 上級レベル:専門的
学習時間 | 語彙 | 漢字 | |
---|---|---|---|
初級 | 約300時間 | 約1,500〜2,000語程度 | 500字程度 |
中級 | 約600時間 | 約5,000〜7,000語程度 | 1,000〜1,500字程度 |
上級 | 約900時間 | 約10,000語程度 | 2,000〜2,500字程度 |
語彙数:コミュニケーションで運用できる語彙数。
日本人の語彙数は、義務教育終了時点で約30,000語、20歳で約50,000語。
新出語を導入する際の留意点
- 初級:
汎用性がある高頻度の語を選んで導入する。
短文リピートは短期記憶には残るが、理解しているかどうかの確認にはならない。 - 中級:
形や意味に類似性のあるものをセットにして導入する。
階層的関係(鳥とすずめ)を示して指導することがある。
類義語・対義語を示す。対義語は「高い」に対して「安い・低い」があり1対1ではないので注意が必要。
意図的学習と付随的学習
意図的学習:漫画を読んで知った語・新聞を読んでいるときに見つけた未知語・アニメのセリフ。
付随的学習:漢字クラスで習った語を車内広告で見つけて理解できた。偶発的学習のこと。
留学生
日本語能力試験(JLPT)
日本語能力試験:国内では年2回(7月・12月)、海外では年1〜2回実施。
実施機関が異なる。
国内:日本国際教育支援協会(JEES)→日本語教育能力検定試験と同じ
海外:国際交流基金
- 1984年:試験開始。1〜4級。→旧日本語能力試験
- 2010年:試験改定。N1〜N5の5段階になる。
合格者は「Can-doリスト」で自己評価する。
大学入試の一部に組み込まれていたが、2002年からは日留試がそれに変わった国もある。
採点方法は、大規模試験で実施されるIRTを採用。→IRT
日本語能力試験(JLPT) 受験者数
2020年(令和2年)12月:国内19万人・海外18万人→7月は中止。
2019年(令和元年)12月:国内24万人・海外38万人
2019年(令和元年):国内44万人・海外73万人→年間117万人。海外の受験者の方が多い。
日本留学試験(日留試・EJU)
日本留学試験:2002年から実施。年2回(6月と11月)、国内海外で実施。
実施機関は日本学生機構(JASSO)。
日本語・理科・社会・数学の4科目で日本語以外はマークシート。
日本語以外は、日本語か英語を選択できる。
- 2002年:試験開始。日本語科目「聴解」「聴読解」「読解」「記述」の4領域。
- 2010年:試験改定。日本語科目「聴解・聴読解」「読解」「記述」の3領域になる。
アカデミック・ジャパニーズ:大学での学習・研究活動に必要な日本語力。
日留試はアカデミック・ジャパニーズの力を問う試験で、問題解決能力は含まれない。
採点方法はIRT。JLPTと同じ。
JLPTとEJUの違い
- JLPT:作文なし。産出「話す・書く」入らない。→OPIという別の試験がある。
- EJU:作文あり。
生活者としての外国人
「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案
日本で生活する外国人に対して、生活をしていく上で必要不可欠な行為をまとめたもの。
文化庁が作っている。
モジュール型教材
モジュール型教材:各課が単独で完結している教材のこと。
継続して教室へ通うことが難しい学習者向け。
例:目標「地震が起きた際に適切な行動がとれるようになる」
授業の流れ。
- STEP1:地震の写真を見せる。自分の経験や感じたことを話し合う。とるべき行動をグループで考える。
- STEP2:防災用品の実物に触れる。具体的な指示を与えて行動する。避難場所を調べる。防災用品リストを作る。
- STEP3:地震発生後のニュースを聞く。
- STEP4:振り返り。
スキャニングとスキミング
スキャニング:探し読み・探し聞き。特定の必要な情報だけ抜き取る。トップダウン処理が必要。
スキミング:ななめ読み。だいたいの内容(要点・大意)を抜き取る。
最近の日本語教室では対話中心の活動が行われている。学習者と支援者が対等な関係で日本語のコミュニケーションをしながら日本語を身につける。
外国人児童生徒
JSLカリキュラム
JSLカリキュラム(小学校編・中学校編):文部科学省が開発。日本語指導と教科指導とを総合的に捉え、学習活動に参加するための力の育成を目指す。
日本語の力が不十分なため、日常の学習活動に支障が生じている子どもたちに対して、学習活動に参加するための力の育成を図るためのカリキュラム。
「JSL=第二言語としての日本語」
文部科学省の教育施策:特別の教育課程
日本語能力を高めるだけでなく、各教科の指導も含む。
取り出しの日本語指導
2014年文部科学省から「平成26年学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行について(通知」が出される。
日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」の編成・実施。学校教育の制度として公立の小・中学校が授業として提供。
JSL対話型アセスメントDLA
JSL対話型アセスメントDLA:話す・読む・書く・聴くの4技能テスト。
Dialogic Language Assessment for Japanese as a Second Language。
これも文部科学省が作成。
漢字の授業
指導上の留意点
・漢字の筆順:一般的な順序を示し(左→右・上→下)、ドリルで反復練習させる。
・漢字の導入順:単純な漢字だけでなく、生活で必要性が高いものを優先させる。
・漢字の字形:板書やカードを使う。
・漢字の読み:ひらがなと音声を使う。
・送り仮名のある漢字:送り仮名と一緒に書かせる。
・年少者への指導:意味よりも前に文字を教える。
・英語圏の学習者への指導:漢字の成り立ちなど構成を認識させる。
非漢字系学習者
字形を意識させる。「名名各名名名」の中に「各」を探す。
字形が同一かどうかを識別する練習。
漢字の練習問題
・品詞の問題:「開始・初期・最初・原始」で品詞が違うのは「開始」→動詞になる。
・部首の問題:「広・庁・店・原」で違うグループは「原」→部首が違う。
・対義表現の問題:「日常」と同じ関係にあるもの「無日常・不日常・未日常・非日常」→無不未非のどれか。
・読み方の問題:「安」と同じ関係にあるもの「暗・短・新・近」→「暗」。