日本語教師養成講座の単元テスト用として自己学習のために作った穴埋めノートです。
空欄を選択すると答えが表示されます。印刷時は答えを表示しています(倍率70%が◎)。
日本語教授法「文法訳読法」「ナチュラル・メソッド」「直接法」「アーミー・メソッド」「オーディオ・リンガル・メソッド(AL法)」などについてのまとめです。
外国語教授法の変遷
ラテン語の教育から生まれた
19世紀半ば:文法訳読法
文法訳読法(GTM):Grammar Translation Method。
教師が文法を説明して学習者が文法を暗記して母語に翻訳する。授業は母語で行う。読むだけで話せない。母語に置き換えられるようになることが外国語学習の成功を意味する。これが文法訳読法の限界。
19世紀後半:ナチュラル・メソッド
ナチュラル・メソッド:外国語を外国語で教える。媒介語(母語)を使用しない。産業革命(1760年)で外国語での会話が必要になった。会話能力の習得。
2つのメソッドがある。
サイコロジカル・メソッド(グアン・メソッド)
動作しながら学習言語で動作を説明。
一連の出来事を起きた順にいくつかの文に分ける「例:ダイニングルームで食事をする」
日清戦争(1894年)に勝ったのをきっかけに、伊沢修二が台湾で教えた。戦後(1945年〜)、山口喜一郎が日本に帰って話し言葉を教えた。
ベルリッツ・メソッド
翻訳しない、絵カード・レアリア(実物)・適切な例文を使う。
口頭練習重視(聞く→話す→読む→書く)、教師は訓練を受けたネイティブスピーカー。
母語の使用を禁止し、目標言語のみで練習する方が効率的と考える。
20世紀:直接法
直接法:ナチュラル・メソッドの20世紀版。文法は帰納的に教えられた。つまり多くの実例に接して文法規則を発見させる。実例→規則。
直接法は翻訳を介さない理解を目指しているだけで、ベルリッツ・メソッドのように母語を禁止した訳ではない。
オーラル・メソッド
パーマーが提唱。「聞く・話す」を第一次技能、その後で「読む・書く」を第二次技能とする。「聴解→発音→反復」で音声練習。幼児の母語習得過程を応用した。
指導法はPPP。
- Presentation:文法規則の提示
- Practice:基本練習
- Production:応用練習
長沼直兄が日本語教育に導入(長沼スクール)。なおえ。
GDM:Graded Direct Method
1945年「絵で見る英語」。ゲシュタルト心理学が背景。簡単な項目から難しい項目へ段階的に進む。
- Graded:段階
- Direct:直接
- Method:メソッド
行動主義心理学・構造主義言語学に基づく教授法
行動主義心理学や構造主義言語学に基づく言語学習では、母語と目標言語の差異が困難点だった。
→対照分析仮設という。
アーミー・メソッド
アーミー・メソッド(ASTP)
Army Specialized Training Program。行動主義心理学に基づいたもの。
刺激から反射、パブロフの犬、第二次世界大戦に勝つために、相手の言語を短期(90日程度)で覚えた。
オーディオ・リンガル・メソッド(AL法) – FonFs
オーディオ・リンガル・メソッド(AL法)
1950〜60年代。
アーミー・メソッドを一般化させたもの。フリーズが提唱。FonFs
FonFs=フォーカス・オン・フォームズ(形式重視)
コミュニケーション能力が育たない。
文型練習パターン・プラクティス、発音練習ミム・メム練習、1か所だけ音が異なるミニマル・ペアを使用。
ミム・メム練習:リピートアフタミー。→話せるようにならない
ミニマル・ペア:「おばさん」と「おばあさん」。
文型は易しいものから難しいものへ段階的に学ばせる。
コミュニケーション能力の育成より文法的な正確さ重視。
問題集の文法の空白補充問題を解く。
初級の作文教育は、制限作文アプローチ。
「みんなの日本語」みたいな構造シラバス。
第二次世界大戦ぐらいまではガンガン教えていた。
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