日本語教師養成講座の単元テスト用として自己学習のために作った穴埋めノートです。
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形態・語彙・意味「語構成(単純語・合成語・派生語・複合語・畳語)」「統語構造・重複構造・並列構造」「複合語の構成要素(品詞の分析)」「理解語彙と使用語彙(産出語彙)」「基礎語彙と基本語彙」「異なり語数・延べ語数」「自動詞と他動詞・自他の対応」「意志動詞と無意志動詞」「動き動詞(動作動詞と変化動詞)・状態動詞」「継続動詞・瞬間動詞・第4の動詞」「補助動詞」などについてのまとめです。
語構成
漢語の構成。大きく単純語・合成語に分けられる。
合成語はさらに派生語・複合語・畳語に分けられる。
単純語
これ以上分けられない語。
例:「ペン・雨・本・傘」
合成語:派生語
語基+接辞からなる。
語基:単独で使える
接辞:独立できない
- 酒屋:語基「酒(さけ)」/接辞(接尾辞):屋(や)
- お嫁さん:接辞(接頭辞)「お」/語基:嫁(よめ)/接辞(接尾辞)「さん」
→「よめ」だけで使える自由形式。 - お姉さん:接辞(接頭辞)「お」/語基:姉(ねえ)/接辞(接尾辞)「さん」
→「ねえ」だけで使えない拘束形式。
合成語:複合語
語基2つからなる。独立しても意味が分かる。
- 統語構造:文法的な関係で並んでいる「雨降り・雨傘・兄嫁・長いす・川下り」。
「雨傘(あまがさ)」は「あま」と「がさ」は単独で言わないので拘束形式。 - 重複構造:対等の関係で並んでいる「人びと・長々・泣き泣き」。
- 並列構造:「左右・上下・兄弟」。
複合語のパターンいろいろ
- 「主語+述語」:日没(日が沈む)・国立
- 「述語+補語(目的語)」:読書(書を読む)・乗車
- 「述語+補語(目的語)」:耳当て(耳に当てる)・下敷き(下に敷く)
- 「修飾語+被修飾語」:美人(美しい人)・読者「どんな何」
- 「修飾語+被修飾語」:緩行(かんこう)・急遽(急いで進む)
- 「同じような意味」:河川・樹木:森林
- 「反対の意味」:上下・裏表・善悪・左右
合成語:畳語
同一の語基からなる語「ニコニコ・ヨチヨチ・サラサラ」。
「あの人はニコニコしてるね」が「あの人はニタニタしてるね」だと意味が変わってくる。
→学習者には分かりにくく、自分からは使いにくい。
複合語の構成要素(品詞の分析)
統語構造の場合。
- 「名詞+名詞」:勉強机
- 「名詞+名詞」:たてよこ・うえした・親子→対等の関係
- 「名詞+の+名詞」:アルミ缶・石段・ささぶね
- 「名詞+動詞(マス形)」:稲刈り・金貸し・靴みがき・鉛筆けずり
- 「動詞(マス形)+名詞」:食べ物・張り紙・積み木・飲み薬
- 「動詞(マス形)+動詞(マス形)」:あげさげ・やりとり→対等の関係
- 「名詞+イ形容詞」:肌寒い
- 「イ形容詞+名詞」:厚紙・白犬・細うで
理解語彙と使用語彙(産出語彙)
- 理解語彙:読んだり聞いたりして、意味が理解できる語彙。
- 使用語彙(産出語彙):話したり書いたりして、実際に使用できる語彙。
日本語母語話者(成人)の
理解語彙:40,000語〜50,000語程度→多い
使用語彙:10,000語程度
基礎語彙と基本語彙
基礎語彙:使用頻度が高く日常的。必要だと思われる語を、選定者が主観的に選定したもの。できるだけ少数の語で、広範囲のことから表現できるように配慮して選定する。
「料理」の場合:「混ぜる・切る」
基本語彙:具体的な言語資料の統計調査により、客観的に選定された語彙。調査対象に頻繁に現れる語彙は、その分野における基本的な語彙だと捉えられる。
「料理」の場合:「隠し味・和え物」
異なり語数・延べ語数
「むかし/むかし/ある/ところ/に/おじいさん/と/おばあさん/が/あり/ました。
おじいさん/は/山へ/しばかり/に/、おばあさん/は/川/へ/せんたく/に/行き/まし/た。」
↓
- 単位語:このように単語切りした言葉。
- 同語異語判別:文法的な形式や表記が異なる単位語をまとめること。
- 見出し語:単位語を同語異語判別によりまとめた語。
- 異なり語数:見出し語の総数。語彙数ともいう。重複は1でカウント。
- 述べ語数:すべての見出し語の使用頻度の総数。重複は別々にカウント。
- 使用率:それぞれの見出し語の使用頻度を述べ語数で割る。「使用回数÷延べ語数」
- 語彙表:見出し語を使用頻度または使用率の順に並べたもの。
自動詞と他動詞・自他の対応
自動詞と他動詞
- 自動詞:ヲ格の目的語を取らない「子どもが遊ぶ」。
- 他動詞:ヲ格の目的語を取る「子どもがおもちゃを壊す」。他動詞文は動作主が対象の変化を引き起こす。語尾が「〜asu」になる。例「(自)溶ける→(他)溶かす」「(自)冷える→(他)冷やす」
ニ格を取ることもある「犬が腕に噛みつく」。
自他の対応
- 自動詞と他動詞のペアがある動詞:自動詞「リンゴが落ちる」・他動詞「リンゴを落とす」。
- 自動詞しかない動詞無対自動詞:「泳ぐ・走る」。
- 他動詞しかない動詞無対他動詞:「疑う・断る」。
- 自動詞と他動詞を兼ねる動詞自他動詞:「分解する」「決定する」。
自動詞 | 他動詞 | 自他の対応 |
---|---|---|
つく | つける | 自他の対応がある |
なくなる | なくす | 自他の対応がある |
閉まる | 閉める | 自他の対応がある |
ー | 買う | 自他の対応がない |
泣く | ー | 自他の対応がない |
ー | 食べる | 自他の対応がない |
転がる | 転がす | 自他の対応がある |
光る | 光らす | 自他の対応がある |
遊ぶ | ー | 自他の対応がない |
ー | 教える | 自他の対応がない |
意志動詞と無意志動詞
- 意思動詞:意思的に制御可能な事柄を表す。「遊ぶ・書く・勉強する・乾かす」。
- 無意思動詞:意思的に制御不可能な事柄を表す。「流れる・乾く・老いる・降る」。
人の意思が関わる表現(命令・禁止・依頼・勧誘等)に、無意思動詞は使えない。「乾こう・老いよう」は言わない。
「流れろ・乾け・老いろ・降れ」→命令形にできない。
同じ動詞が意思動詞・無意識動詞の両方に用いられることや、意思動詞が無意思動詞的に用いられたり、逆に無意思動詞が意思動詞的に用いられたりすることもある。
その際「わざと」「故意に」「うっかり」などの副詞や「〜てしまう」のような形式が用いられることが多い。
例:
無意思動詞「ハンカチを落としてしまった」
意思動詞的「あの人の気を引くために、わざとハンカチを落とした」
動き動詞(動作動詞と変化動詞)・状態動詞
動き動詞(非状態動詞)
動作動詞:「走る・電話する」ル形は未来を表す。
変化動詞:「変わる・破れる」。
状態性述語
状態動詞:「ある・いる」。
金田一春彦による動詞の分類
状態動詞・継続動詞・瞬間動詞・第4の動詞
「〜ている」をつけた時に意味が異なる。
- 状態動詞:「ル形」で現在の状態。「ある・いる・できる」。
- 継続動詞:「テイル形」で動きの進行。「読む・書く・笑う・散る・降る」。
- 瞬間動詞:「テイル形」で動作の結果。「消える・届く・曲がる・始まる」。
- 第4の動詞:「ル形」が不自然。「テイル形」で形容詞のように状態を表す。「優れる」「ずば抜ける」。
僕は母に似ている:不自然「僕は母に似る」
山がそびえている:不自然「山がそびえる」
太郎は徹より優れている:不自然「太郎は徹より優れる」
補助動詞
補助動詞:「座ってみる・飾ってある・忘れてしまう・見えてくる・置いておく・持っていく・連れていく」。
本動詞「見る・在る・来る・行く」の意味は薄い。
「テ形+補助動詞」の形。補助動詞は平仮名で書く。