11〜13.日本語教育実践

【日本語教師養成講座】13.日本語教育実践3(技能別指導):⑤中上級の授業|文章表現(中上級の文章表現のポイント/制限作文アプローチ/プロセスアプローチ/パラグラフライティング/教室活動の流れ/ピアレスポンス)

13.日本語教育実践3(技能別指導)/⑤中上級の授業|文章表現

日本語教育実践(技能別指導)「中上級の文章表現のポイント」「制限作文アプローチ」「プロセスアプローチ」「パラグラフライティング」「教室活動の流れ」「ピアレスポンス」などについてのまとめです。

中上級の文章表現のポイント

初級は制限作文アプローチだが、中級は読み手を意識した創造的な活動を目指す。

文章表現の教室活動

  • プロセス・アプローチ:時間をかけて何度も修正を重ねて推敲(すいこう)し、完成度の高い文章を仕上げる。→書く技能の指導
    学習者自身での推敲・学習者同士での推敲・教師の推敲がある。
    ライティングプロセスを考慮した指導は、プロセス・アプローチ。
  • パラグラフ・ライディング:文章構成や形式を伝え、それに沿って書かせる。日留試(EJU)対策。
  • アカデミック・ライティング:学術的な文章を書く、大学院生向け。
    日本の高等教育機関への進学を希望する学生など。
    活動としてはプロセス・アプローチが一般的。
  • 新旧レトリックアプローチ:ジャンル別にパターンを提示して作文を書かせる。
  • ジャーナル・アプローチ:自由に書いて提出させ、意見を交換して学習者と教師の理解を深める。

教室活動の流れ

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  • 前作業:形式があればモデルを示す。スキーマの活性化(背景知識の活性化)。アウトラインを書く。
  • 本作業:書く作業。
  • 後作業:発表・評価・ピアレスポンス(お互いに読み合う)

ピア・レスポンスの意義

ピア・レスポンスでは、学習者がペアまたはグループになり、お互いの作⽂を読んで意⾒や感想を述べ、改善点を指摘しあう。

  1. 書いた内容を相⼿に説明することで、⾃分の考えを整理し、深める。
  2. 読み⼿を意識して⽂を書く姿勢を⾝につける。
  3. 活動を通して仲間と対話することで⼈間関係を築く経験をする。

平成30年 日本語教育の検定問題を解く 日本語教育能力検定試験 解答と解説」の試験Ⅲ(記述問題) 解答例より引用。

ヒューマンアカデミー(2017)『日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版』翔泳社