6.音声・音韻/文字・表記

【日本語教師養成講座】6.音声・音韻/文字・表記|4.アクセント・イントネーション(アクセントの規則/アクセントの型/プロソディー/イントネーション/プロミネンス/ポーズ/転訛形)

6.音声・音韻/文字・表記|4.アクセント・イントネーション(アクセントの規則/アクセントの型/イントネーション/プロミネンス)

音声・音韻/文字・表記「アクセントの規則」「アクセントの型」「プロソディー」「イントネーション」「プロミネンス」「ポーズ」「転訛形」などについてのまとめです。

アクセントの規則

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日本語の共通語のアクセントはを単位とする高低2段階高さアクセントである。

アクセント言語

  • 高低アクセント:日本語
  • 強弱アクセント:英語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語「OLA」
  • 声調アクセント:中国語・タイ語・ベトナム語
  • 無アクセント:フランス語・韓国語

英語もポルトガル語もアルファベット。
無アクセントとは、決まったアクセントがないという意味。
日本語の方言でも、東北・関東・九州の一部で無アクセントの地域がある。

アクセントの配置規則

  1. 語の1拍目と2拍目は必ず高さが異なる(高→低/低→高)。
  2. 1語の中で高い部分は1拍か連続した数拍、すなわち1ヶ所のみで離れたところに2ヶ所以上はない。

「コーヒー」は拍に区切ると「コ・オ・ヒ・イ」で「低高高低」となる。
日本語は、ひとつのフレーズでピッチパターン(声の高さ)が「への字」になる。

アクセントの機能

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アクセントの機能には、以下の2つがある。

  • 弁別機能(示差機能):同じ音だけどアクセントで意味が変わる「アメ:雨・飴」。
  • 統語機能:同じ音だけどアクセントが違うと文の構造が違う「ニワトリ:鶏・二羽、鳥がいる」。

アクセントの型

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アクセントの核:アクセントが高から低へ変化する部分。最後の高の拍。アクセントの滝。
アクセントの型:アクセントの核の有無で4つに分けられる。
名詞の拍の数をNとするとN+1種類の型がある。
複数のアクセント型を持つもの(かき・はし・あき・いし)とそうでないものがある。

  • 平板型(へいばん):アクセントの核がない「さくらが」→「低高高高」
  • 頭高型(あたまだか):アクセントの核が最初の拍「みどりが」→「低低低」
  • 中高型(なかだか):アクセントの核が途中の拍「なかみが」→「低低低」
  • 尾高型(おだか):アクセントの核が最後の拍「おとこが」→「低高低」

「おとうとは」:「低高高高低」最後の「と」がアクセントの核。最初の「と」を同じ高さで、最後の「と」のピッチが大きく上がる訳ではない。

四字熟語のアクセント

2語に分けて考える。
一喜一憂:「一喜」頭高型+「一憂」平板型。
大同小異:「大同」平板型+「小異」頭高型。
不可抗力:「不可」平板型+「抗力」頭高型。

複合名詞のアクセント

日本記録:「日本(にほん:低高低)」「記録(きろく:低高高)」
「にほんきろく(低高高+低低)」。前部と後部どちらもアクセントが変わる。アクセントの核が後部要素の1拍目。

教育委員会:「教育(きょういく:低高高高)」「委員会(いいんかい:低高低低低)」
「きょういくいいんかい(低高高高+高低低低)」。アクセントの核は後部要素と同じ。

プロソディー(超分節的特徴)

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プロソディー(超分節的特徴):複数の音をまたがる音声的特徴のこと。
アクセント・イントネーション・プロミネンス・ポーズ・拍の長さ・リズム・トーン・テンポ・声質などがある。
試験Ⅱの問題2は、プロソディーレベルの問題。

「行くんですか」イントネーションによっては、悪く聞こえる。
「月火水」のフットもプロソディーのひとつ。

イントネーション・プロミネンス・ポーズ

  • イントネーション:文の抑揚、文を単位とする声の高さ。疑問文の文末は上がる。
  • プロミネンス:文中の特定の部分を際立たせて発音する。強弱・速度・ポーズを置く。
  • ポーズ:曖昧文の統語構造を分かりやすくする。
    文と文のポーズより、段落と段落のポーズを長くした方がよい。

短縮語

短縮語:外来語を短縮したもの。
2語の英語を短縮する場合、日本語では前と後ろから2音(2拍=1フット)ずつ取る場合が多い。

スタメン:頭字語型「スターティング+メンバー」。
アカハラ:頭字語型「アカデミック+ハラスメント」。
エアロビ:後省略型「エアロビクス+ダンス」。

転訛形(てんかけい)

転訛形:訛り(なまり)のこと。

やめとく:やめておく。
なにしてんの:なにしているの。
帰らなきゃ:帰らなくては。
すごく:すっごく。→転訛形ではない。強調してるだけ。

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